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介護される人の気晴らしを

介護が必要になるというのは、体が思うように動かなくなるということです。体のあらゆる機能が徐々に衰えてきて、当然のようにできていたことが次第にできなくなってしまいます。それまで若い時には想像もできないかもしれませんが、歩くのも辛くなったり、着替えや食事もままならなくなったりするのです。年をとったから仕方がないと口では誰もが言いますが、思うように動かない体に内心苛立ちも感じるでしょうし、つらいものです。また、配偶者や子供などに介護という負担をさせることをストレスに感じる人も少なくありません。介護する側も大変ですが、介護される側もやはり辛いのだということは、常に覚えておくことが大切です。
しかし、辛いからといってふさぎ込んでいたのでは本人も楽しくありませんし、介護をするほうもやりにくいですよね。たとえ体は動かなくても、機嫌よくしてくれるほうが介護もやりやすいですし、リハビリの効果も出やすくなります。そのためには、介護される人が楽しみを感じるような気晴らしを見つけるようにしましょう。年を取っても続けられる趣味があれば、できる限り続けるようにします。視力の低下は仕方がありませんが、最近では高齢者向けに字の大きな本も増えているので、読書が趣味だという人はあきらめずに本を手に取ってみてください。字が読めなくても話を朗読してくれるCDなどもあるので、そういったものを利用するのもいいですね。絵をかいたり、歌を歌ったり、ある程度機能が衰えても楽しめる趣味はいろいろありますので、少しずつ試してみるようにしてください。手先を使うものは、リハビリにもなるのでおすすめです。これといった趣味が見つからなくても、一緒に座って話を聞いてあげるだけで高齢者にとっては気晴らしになるものです。お友達と会ってお茶を飲んだり、季節に合わせて花見などに連れ出したり、新しい服やパジャマなどを選んだりといった日常の行為でもちょっと工夫をするだけで楽しめることはたくさんあります。介護をしていると、どうしてもお世話で手一杯になって高齢者の気分まで気が回らないことが多くなりますが、ちょっと余裕をもって気晴らしの時間を持ってみてください。お互いリラックスできてより良い介護ができるかもしれませんね。

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